ラミ・マレックと中東和平
ラミ・マレックも、彼が演じたフレディ・マーキュリーも、出自なんか吹き飛ばした。
物凄い才能と、努力で。
でも、と、凡人の私は思う。
アラブ人とペルシャ人は歴史的にめちゃくちゃ仲が悪い、シーア派かスンニ派かの、宗派の問題より根深い、と、あちこちのジャーナリストが言っている。
ラミもフレディも、両親はムスリム(イスラム教徒)ではない、それぞれに少数派の宗教。
ちなみにフレディ・マーキュリーはイエスキリストを称える歌を作詞・作曲している。新約聖書の中の福音書の話をちりばめた歌詞。(1枚目のアルバム最後から2番めの曲、Jesus)
同じアルバムにDon't believe all you read in the Bible (Great King Rat)、I have sinned dear Father (Liar)とある。
ラミ・マレックの両親がエジプト人だからといってアラブ人かどうかは、知らない。
フレディ・マーキュリーの両親はゾロアスター教だから、たとえインドにいても、代々、混血せず、ペルシャ系のままだったのは確か。
だから、と、頭の悪い私は思う。
シリアなど、複雑に絡み合った中東問題の中にいる人たちは、この映画を、どう見るんだろう?
紛争地域に映画を見る設備はない。
でも、ネットはあるらしい。
アラブの人は、ラミがペルシャ人ルーツの人を熱演したことを、どう思う?
ペルシャの人は、アラブ人であろうラミがペルシャ人を熱演したことをどう思う?
私は仕事でアラブ人とも、ペルシャ人とも、別々に接した。
私が会った彼らはムスリムで、いろいろな要望を提示されたので、映画ボヘミアンラプソディが絶対に受け入れられないことは身に染みてわかる。
でも、アラブ人とペルシャ人はムスリムばかりではないし、ムスリムでも個人により地域により(アラブがあまりにも広地域だから)、宗教的熱心さに差があることもわかった。
歌は社会制度を簡単に凌駕する。
I Want To Break Free が独裁政権打倒のアンセムになったように。
(だから敬虔なイスラム社会では、小学校での音楽教育をしていない)
敬虔でない地域にも(日本とか)彼らはたくさん住んでいる。
彼ら、さんがこの日本語ブログを目にすることがありますように。
そしたら教えてください、映画ボヘミアンラプソディに好意をもつのかどうか。